天然木材の可能性を最大限に引き出す、高性能木質材料
エンジニアリングウッドとは、天然木材の良さを生かしつつ、工業的な加工によって強度や寸法安定性を飛躍的に高めた高性能な木質材料です。ウイングでは、これまでの木造建築では困難とされた大スパン空間の実現や、非住宅分野での木材利用を可能にする多彩なエンジニアリングウッドのラインナップを取り揃えています。
この製品のキーワードは『安定的な品質』です。
横架材・土台編
集成材やLVLは、ひき板や単板を積層・接着することで無垢材特有の反りや割れといった弱点を克服し、強度性能を高めた木質材料です。特に、壁の少ない大空間建築を実現するための梁や桁といった水平部材(横架材)として不可欠な存在となっています。
また、品質の安定化を求めるお客様のニーズに応え、建物の基礎となる土台においても従来の製材品からLVLや集成材へグレードアップするケースが増えています。
取扱製品詳細
集成材(グルーラム)

製材の長所を更に伸ばすために開発された製品。「合板」が薄い板の集まりであるならば、「集成材」は製材の集まりというイメージです。主にヨーロッパからの輸入品と国内生産品があります。
| 用途 | まぐさ、梁材用 | 土台用 |
| ヤング係数 | E120 | E105 |
| 主な樹種 | ホワイトウッド、レッドウッド、ダグラスファー | オウシュウアカマツ |
LVL(単板積層材 / Laminated Veneer Lumber)

集成材をさらに発展させ、より高い強度を追求した製品。柱や壁の少ない大空間を設ける際に活躍します。木材特有の経年変化が非常に少ない点も特長で、土台に採用される大手不動産会社様もあります。
| 用途 | まぐさ、梁材用 | 土台用 |
| ヤング係数 | 120E、140E | 80E |
| 主な樹種 | 国産カラマツ、ダグラスファー | ラジアータパイン |
北米の先進構造材

ツーバイフォー工法の先進地である北米では、高性能なエンジニアリングウッドが汎用化されています。当社は、現地アメリカの大手林産会社Weyerhaeuser(ウェアハウザー)社の一次代理店として、これらの最先端製品を直接購買し、お客様へ提供しています。
I型ビーム
LVLのたわみへの強さと、OSBの高い剪断力(せんだんりょく)を併せ持った、断面が「I」の字型の構造材です。軽量でありながら高い強度を誇り、従来の床根太(ゆかねだ)として活用することで、より効率的で強固な床構造を実現します。
LSL(ラミネーテッド・ストランド・ランバー)
これまで製材には不向きとされてきたアスペンなどの樹種を細長い木片にし、接着剤で圧着して作られます。資源を有効活用した環境配慮型の製品であると同時に、その特徴的な積層模様を活かし、内装材としてデザイン性を求められる場面でも使用されます。
PSL(パラレル・ストランド・ランバー)
LSLよりもさらに高い強度(曲げヤング係数145E)を持つ高性能な構造材です。その強度を活かし、LVLと共に壁の少ない大空間建築や、より高い構造性能が求められる非住宅建築に最適な材料として活躍します。
面材編
ウイングでは、横架材だけでなく、構造用途から内装、造作まで対応する多様な面材としてのエンジニアリングウッドも幅広く取り扱っています。
取扱製品詳細

OSB(オリエンテッド・ストランド・ボード)
活用しにくい雑木(アスペン等)を木片状に切削し、巨大なプレス機で圧着した北米産の建材です。北米の住宅では構造用合板よりもシェアが高く、70%を超過しています。
特に面内剪断力※が非常に強く、大手住宅会社様や集合住宅で長年活用されている信頼性の高い製品です。
※面内剪断力(めんないせんだんりょく)とは
パネルの面に平行な力が加わった際に、その板が変形に耐えられる力のこと。ツーバイフォー工法ではこの力の強さが耐震性に大きく影響し、地震などによる建物の歪みを抑制します。
PB(パーティクルボード)
丸太や木質建材を再利用し、小さなチップ状に粉砕して圧着した製品です。環境に優しいだけでなく、SDGs品としても注目され、9mm厚で構造用面材として使用できる(国土交通省大臣認定)ことから絶大な人気を誇ります。
MDF(中密度繊維板)
原料の木質繊維を抽出し接着剤と絡めて圧着した製品で、日本語では「中質繊維板」と呼ばれます。構成要素に木質部分が少なく、寸法精度は最も高いのが特長です。PB同様、環境に優しい製品として知られ、構造用としては国土交通省大臣認定を受けています。